in a Million

児童文学 ときどき アイドル

『ヘヴンリープレイス』

『ヘヴンリープレイス』

濱野京子 作 猫野ぺすか 絵 ポプラ社

 

夏休みに引越しをした六年生の和希は、新しい街を自転車で探索中に、年下の少年に出会う。彼をきっかけに和希が知り合った人たちは、学校や社会からちょっとはみ出した子供と大人だった。今までとは違う種類の人たちとの交流で、和希の世界は、少しずつ広がっていく。

 

この本を読んでいて感じたことは、子供って窮屈なんだなってこと。

大人ってずるがしこいんだなってこと。まるで童話のキツネかオオカミみたい。

 

子供は、お金も大して持っていないし、自分で行ける範囲は限られている。

子供は、経験が少ないから、大人の言うことは正しいのかなって思わされる。

子供は、大人の保護があって生きているから、制限、厳しい。

 

でも、大人という存在がどんなに強大でも、子供が大人の言うままになっていたらダメなことって、あるんだよ。

子供たち、自分の心を殺したらいけないよ。

たとえ、大好きな大人のためでも。

自分を大切にすることは、自分を大切に思ってくれる周りの人を大切にすることにつながっているのだから、大丈夫だからね。

 

そして大人たち。

子供の心を、自分の都合と価値観で縛ってはいませんか?

子供が、親の期待に応えたい、がっかりさせたくないという気持ちを持っていることを、無意識に利用してはいませんか?

子供は親の所有物ではない。

 

トーリーの流れに心地よく乗っかって楽しむ小説ではないけれど、

主人公と共にじっくりとその世界を見て、自分の心の中にある何かを思う、

そんな児童文学作品だ。

 

対象年齢である小学高学年~中学生くらいのお子さんがいて、難しいと感じる親御さんにも、読んでみて欲しい一冊だ。何か気づくことがあるかも。

 

がんばれ、窮屈な子供たち。窮屈なことにまだ気づいてもいない子供たちも。

嘘をかぎわける勘を養い、行動できる力を身につけて、強くなってね!

いつか自分の力でヘヴンリープレイスを作り出せるようになるために。