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児童文学紹介ブログです。児童文学もアイドルも成長を見守るのが楽しい。

『放課後の音符』

『放課後の音符(キイノート)』

山田詠美 新潮文庫 1995/3/1  

 

表紙画像をあげておいてなんですが、これは私が持っている本ではないんです。

アマゾンのリンク作成がこれしかないだけで。

こっちの方が私のこの本のイメージです。この表紙の本、今も持ってる。

http://amzn.asia/bnrJA3q

 

さて。

最初にこの本が出版されたのは1989年。

携帯電話とかスマホSNSとか、そんなものがなかった時代のこと。

そんな小道具が全く出てこない恋愛小説、いかがですか?

 

携帯電話もメールも出てくる女子高校生の恋愛小説を、最近、読んだ。

恋の基本は変わらないなぁと感じた。

誰かを好きになって結ばれる、人と人の心と体の作用だものね。

時代によって、舞台や小道具が違うだけ。

だから『放課後の音符』は、新たな古典と言っていいような気がするのだ。

 

主人公は女子高校生。もう子供ではなく、かといって、まだ大人でもない。

主人公の恋を中心に、周りの女の子たちの恋の話が短編小説として綴られている。

大人から見ると悪い子の恋もあれば、十代ならではの手探りの恋もある。

高校時代ってそんなこともあるよねっていう恋もあるし、

あっけらかんとした女の子の熱情や、静かにほとばしる秘密の恋もある。

どの女の子も、個性がきらきらと輝いて、その恋はみずみずしい果実のよう。

 

詠美さんの小説の素敵なところは、登場人物たちが自分自身を持っているところ。

恋にうつつを抜かしているように見えるけれど、しっかりと自分の価値観を持って堂々と生きている。

多分、リアルなこの年齢の女の子たちは、こんなに強くはないと思う。

だから、小説を読んで、へーっ!って思って欲しいのだ。

こんな風に、しっかり自分を持って恋したら、きっと素敵な恋ができる。

男の子に振り回されず、振り回しちゃうぐらいでいいんだよ。

そのためには、自分の軸を見つけておくといい。

詠美さんの小説は、きっと、その助けになる。

 

久しぶりにこの本を読んだら、高校生に戻って恋してみたくなっちゃった。

特に島の男の子との夏の恋の話は、最高。

 

贅沢美味な珠玉の恋愛短編集、どうぞお試しあれ。