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児童文学 ときどき アイドル

『願いがかなうふしぎな日記』

願いがかなうふしぎな日記

本田有明 作 PHP研究所 2012/8/22

 

光平は、おばあちゃんから、書いた望みは叶うという日記帳をもらう。半信半疑で書いてみると、望みはなんだか叶っていくようだ。

自分のための望み、ひとのための願い、なかなか叶わない望み。

願いがかなうふしぎな日記帳を使いながらの、光平の夏休みの物語。

 

眠っている間に見た夢を「叶った」と言っていいのか?と、私はいきなり冷めてしまったけれど、それを「叶った」と思えることは、物事を楽観的にとらえることができるということなんでしょう。楽観的(ポジティブ)思考は願いを叶えやすくするためのコツ、という前置きなのかも。

他には、どう見てもただの偶然だろっていう叶い方もあるし、自分で書いて自分で買いに行って実現させている願いもある。それでも、叶っていくうちに、光平は、書いた望みをどうにかして叶えようと、自ら行動を起こすようになります。

 

そういえば、願い事がかなう手帖を作ろう、っていう大人向けの本を読んだことがあるなぁ、と思ったら、こちらもPHP研究所から出ている本でした。

引き寄せだとか、掃除すると幸せになるとか、そういう類の本は掃いて捨てるほどありますね。

この本を読んでやってみました。叶うことも叶わないこともあり、手帖のおかげで叶ったとは言い難い確率。で、大きな願いは書かない、っていう条件があってね。無視して書いたけど、やはりそれは叶っていない。今の(当時の)自分の力だけじゃどうにもならない願いを叶えたいからわざわざ本を買ってみたわけなんだけど期待外れでした。今思うと、願い事を小さく分解して手帖に書き、叶うハードルを低くして、これもあれも叶ったし手帖さんありがとう的なポジティブ思考を手に入れると何事もよくなるよ、っていう本なのかなという気がしますね。私はポジティブ思考がベストとは全く思わないから、この本は合わなかったのでしょう。

掃除にしてもねー、いつも家の中を散らかして床も押入れも物で溢れている義母はお金に困らず美味しいもの食べて気楽に暮らしているし、昔からいつも家の中きちんと片付けてぴかぴかに磨き上げて不要なものはさっさと捨てていた実母は父にお金と女性の苦労をかけられ胃の病気であまり食べられず最期は事故死でした。マツイ棒の松居さんもあれですし。掃除したら幸せになれるなんて嘘。

大人はスピリチュアル本より缶ビールorスイーツを買う方が幸せになれそうw

 

話は戻って、じゃあどうしてこの児童書を紹介しているかというとですね。

主人公・光平(小5)は、望みを書いて、自分なりに分析・行動してみる、という方法に気づきます。書いてただ置いておくより、どうしたら望む場所へ到達できるのかを自分で考えて行動を起こした方が早く叶うし、ただ待っているより確実に望みを叶えることができることを、光平は感覚的にわかるようになっています。

十歳でこれを体得したら、その後もずっとそのパターンで行動できます。

この本の対象読者である十歳前後の子供たちは、光平の体験を通して、光平の願い事の叶え方を学ぶことができるので、とてもラッキー。

願いごと手帖みたいなあやしげふやなものに頼らず自分の行動力で願いを叶えていこうね、っていう、逆説的な主張もうかがえるのが良い。

さらに、この本は、物語として面白く、楽しめるんです。どうなっちゃうんだろう?次はどうなるんだろう?という気持ちで読み進めて、光平の努力を見守り応援し、願いが叶うたびに、達成感や満足感を味わうことができる。この本を読んだ子供たちは、きっと、明るい気持ちになって、自分の願いをかなえるため行動を起こせる人になってくれることでしょう。

 

そういえば、この本でも、『星の王子様』が引用されていました。

『星の王子様』を読んだ光平の思いを、ここに書いておきます。

 

  迷ったままだと、勇気がどんどん少なくなっていく。

  やろうと決めたら、迷わないですぐにやった方がいい。(P-125)

 

うん。私もそう思うよ。