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『キキとジジ 魔女の宅急便〈特別編その2〉』

『キキとジジ 魔女の宅急便〈特別編その2〉』

角野栄子・作 佐竹美保・画 福音館書店 2017/5/25

 

魔女の宅急便といえば、ジブリ映画を思い浮かべる方は多いと思う。

児童書としての魔女の宅急便シリーズは、1985年に1巻が出版され、キキが成長して、大人になり、2009年に6巻で完結している。

6巻を読み終えた時には、キキの物語は全て終わったんだなぁと寂しかったけれど、最近になり、特別編が二冊出版されていて、ファンには嬉しい限りだ。

 

『キキとジジ』は、キキが魔女になる前のお話。

キキが生まれてすぐの赤ちゃんの頃から、幼児を経て、四年生まで。

小さなキキと、しっかり者の黒猫ジジ、二人それぞれが主人公の短い物語集。

この本を読むと、クールに見える黒猫ジジが意外と悩み多き猫だったことがわかって、ほほえましい。なんだか幼い兄妹を見ているみたいな気持ちになる。

 

角野栄子さんのお話は、日常をじっくりとあたたかな眼差しで見つめて、どこかおかしみのある小さな事件を淡々と描く中に、気づきや、楽しい工夫が隠されているものが多い。

赤毛のアンシリーズの描き方と、ちょっと、感じが似てるかな。

 

この本は、ちっちゃいキキとジジの短編集として、これだけでも楽しめると思う。

でも、シリーズ6巻を読破している人のための特典と言えるような気もする。

最新刊が出版されるのを楽しみに、キキの成長を見守りながら読んでいた方々が、キキとジジを懐かしんで読むのにちょうどいいんじゃないかな。

きっと、魔女のいる町独特の空気感も、時間の流れも、本を開いたとたんに懐かしく胸に広がることだろう。

 

ところで、最近話題のカップヌードルのCM、あれは原作に近い世界観だなと思って見ていた。

2時間の映画にするには、キャラの個性を強めたり、話にアクセントをつけたりする方がいいのだろうけど、原作のキキはふつーの女の子だし、すごーく日常的なお話の連なりだから。

あのCM、私は好きです。

 

 

 

魔女の宅急便シリーズ

1985年 魔女の宅急便

1993年 魔女の宅急便その2 キキと新しい魔法

2000年 魔女の宅急便その3 キキともうひとりの魔女

2004年 魔女の宅急便その4 キキの恋

2007年 魔女の宅急便その5 魔法の止まり木

2009年 魔女の宅急便その6 それぞれの旅立ち

福音館文庫版、角川文庫版も有り)

 

2016年 キキに出会った人びと

2017年 キキとジジ

 

映 画

1989年 魔女の宅急便(アニメ)

 

 2014年 魔女の宅急便(実写)

 

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