in a Million

児童文学紹介と日記のブログ。

2017-01-01から1年間の記事一覧

『月の笛』

『月の笛』 武鹿悦子 作 東逸子 絵 小峰書店 2006/10/10 透明感のあるリズミカルな文で描かれた、力強く幻想的な物語。 文章、というより、日本語が流麗で、その表現力に心がざわざわしてしまった。 子供の頃、新しい本やら新しい国語の教科書やらを読むと、…

『ローズの小さな図書館』

『ローズの小さな図書館』 キンバリー・ウィリス・ホルト 作 谷口由美子 訳 徳間書店 2013/7/31 一つ一つの短編小説が、時代の雰囲気まで写し出したポートレートのよう。 舞台はアメリカ。フランス系移民の多い、ルイジアナ州。 1939年のローズ(14歳)から…

『ペンネームは夏目リュウ!~キミも物語が書ける~』

小学生向けの、物語の作り方マニュアル。 小学校5年生の宏樹が物語を書く、という物語仕立てになっている。 軽く読みやすい文章と展開で、一話終わるごとに、ミニミニ創作講座がついていて、物語が進むにつれ、創作講座もステップアップ。チャート方式で、…

『ハンカチの上の花畑』

安房直子・作 岩淵慶造・絵 あかね書房 初版1973/2 前回からの続きにもなるが、安房直子さんの短編集を感動しながら読み終えて、著者紹介の欄を見たとき、このタイトルを見つけた。 「小学生の頃、ものすごい感動した本だ!安房さんの本だったんだ!」 で、…

『ひぐれのお客』

『ひぐれのお客』 安房直子・作 MICAO・画 福音館書店 2010/5/25 図書館の書架に並んだ本の背表紙を眺めると、よく手に取られていそうな人気のある感じだなあとか、逆に、古いけどきれいであまり借りられていないのかな、などと思うことがあり、それは…

『おばけ道、ただいま工事中!?』

草野あきこ・作 平澤朋子・絵 岩崎書店 2015/8/25 自分の部屋が、ある日突然、おばけの通り道になってしまった! 小学四年生の翔太がおばけとかかわることで起こる不思議な騒動が、明るく軽快に描かれている。 死者とはもう話せないから、 「あの人は、あの…

『クワイナー一家の物語』

『大草原の小さな家』というアメリカのドラマを、昔、ところどころ見ていた。ローラという明るい活発な女の子が主人公で、ローラの家族が、私が初めて知ったアメリカの家族像だった。 ローラの母さん、キャロラインが少女だった頃の物語が、この全7巻の本だ…

『赤いペン』

必要な人のところにいつのまにかやってくる赤いペン。 役目が終わると、いつのまにかどこかへ行ってしまう。 世の中の人も出来事も全て、そんな面があるのかもしれない。 赤いペンほどシンプルでないだけで。 文がうまくてぐんぐん引き込まれる。 と思ったら…

このブログについて

児童書について、思いつくままに書いていきます。 児童書を好きな理由 ・平易なので、大人は短時間で読了できる。 ・ストレス要素がほとんどないので、読後感がさわやか。 ・一冊の中で、主人公の成長を見守り、見届けることができる。 ・大人の日常には縁遠…